始まりは・・・20数年前。
妊娠がわかった時、初めてのお産を迎えるにあたって、当然の事ながら色々不安がありました。
出産の日。無事に産まれてくれるかどうか心配しました。
元気のいい産声を聞いて安心したものです。
産まれてすぐの、何かの検査で引っ掛かって、再検査になった時、『生まれつき何か病気があるんだろうか?』と心配しました。
結局は、検査のやり方が悪かっただけで、何もなかったのですが。
1歳の頃になると、ちゃんと歩けるかな?と心配しました。
初めての育児には、育児書が頼りで、それ通りにいかないと不安を感じたものでした。
歩き出したら、今度はちゃんとしゃべれるかどうか、不安でした。
2歳の頃かなぁ・・・
意味もわからないのに、長渕剛の『乾杯』を丸暗記して唄った時は、笑っちゃいました。
幼稚園に行きだしたら、お友達と仲良くできるか心配でした。
一度も、『幼稚園に行きたくない』と言う事もなく、毎日幼稚園バスに乗って行くのが楽しみのようでした。
小学校に入ったら、ちゃんとお勉強ができるか心配でした。
低学年のうちは、テストの点数よりも、お友達がたくさんできればいいなと思ってました。
高学年になったら、成績が気になりだしました。
テストの点数が気になったし、通知表の評定も気になったし。
中学生になったら、本格的に成績の事が心配でした。
中一の頃から、塾にも行きました。
中学生の頃は成績も良かったです。
目標とする高校も決まり、ホントに一生懸命勉強も頑張っていましたし、私も自分の高校受験の時以上に、力が入ってました(笑)
模試の結果にも一喜一憂。
こんなに教育ママだったっけ?っていうくらい、自分も必死でした(笑)
第一志望校の受験に失敗し・・・・。
本人のショックもさることながら、私自身もこの世の終わりかと思うくらい落ち込みました(苦笑)
私立の高校に行く事になり、その高校の入学式の時、嬉しさよりも、『この学校に来るはずじゃなかったのに・・・』と悔しさで涙が出ました。
ところが、意に反して、息子自身はこの学校との相性が良かったみたいで、学校にもすぐに慣れ楽しく通いました。
私も、段々とこの学校を知るにつれ、『この高校に行けて良かったなぁ♪』と思うようになりました。
それでも心配はつきもので・・・・。
入学した当時から、滑り台をすべるように落ちていった成績。
学校の楽しさと反比例するように、成績は下がっていきました。
学校から送られてくる成績表見るたび、頭をかかえたもんです。
おまけに、大学受験を控えた大事な時期に、【停学処分】。
呼び出された学校の校長室で泣きました。
自分の育て方が悪かったのかと、悩みました。
幸いに・・・・
この【停学処分】が、いい薬となり、本人も自分のこれまでを悔いあらため、大学受験へ向けて猛勉強を始めました。
自分で『俺はやれば出来る子だ。』と豪語するやつです。
早々と推薦で希望の大学に決まりました。
大学生活はひとり暮らし。
これまた心配はつきません。
ちゃんと食べてるんだろうか?大学には行ってるんだろうか?
離れて暮らすと姿が見えませんから・・・・。
メールをしても3日も返信がこないと、《生きてるのかな?》とすら思いました。
【心配事】というのは、子供が成長すればするほど、どんどん大きくなって行きます。
この頃になると、ただ単に、お友達ができればいいなぁとか、テストの点数がよければいいなぁとか、成績の順位が上がればいいなぁとか、その時その時は真剣に悩み心配したことが、なんとちっちゃな悩み・心配だったんだろうと思えてきました。
息子の就職の時は、それまで以上に・・・・おそらく【母になって一番】というくらいに、心配しました。
この就職難の時代。
いろんな葛藤と、息子との意見の食い違い。
親子で悩み苦しみました。
それでもなんとか就職を決め、今年の春から働き始めた息子。
生まれてから、幼稚園・小学生・中学生・高校生・大学生。
その時その時で、いろんな心配事をかかえ、真剣に悩み乗り越えてきました。
壁にぶち当たるたびに、ひとつ乗り越え、ホッとしてるとさらに大きな壁にぶち当たる。
その時その時は大きな壁だったけど、今思えばこれまで乗り越えてきた壁は、とってもちっちゃかったような気がする。
数日前の深夜3時、息子からの電話。
『心が折れそう・・・』と電話してきました。
新しい環境に飛び込んで2ヶ月強。
慣れない土地、慣れない仕事で、つまずいてしまったんでしょう。
これまで一度も弱音を吐いた事のない息子からの深夜の電話。
私が30分、夫が1時間、しっかり話しを聞きました。
私は聞くことしかできなかったけど、夫は話を聞きながらいろんなアドバイスをしてました。
こんな時は、さすがお父さんですね。
ありがとう
翌朝、『昨夜はありがとう。俺ちょっと弱っとった なんか楽しいこととか見つけて、ここで頑張るけん!』とメールがきました。
これで100%立ち直ったなんて思っちゃいません。
まだまだこれからたくさんの壁にぶつかっていくでしょう。
いつもは友達に相談したり、愚痴ったりしてたんでしょうね。
今回、真夜中なのはわかってても、親に電話してきて弱音を吐いた事で、ホントによっぽど精神的にきつかったんだろうなと思いました。
でもなぜか、その初の弱音が嬉しかったです。
苦しい時に、親を頼ってくれたのが、嬉しかったです。
振り返ればこの23年。
その時々に大きいと感じた山が、今は小高い丘くらいに感じます(笑)
これから、どんな険しい山が待ち受けてるんでしょうね。
息子が自力で越えられず挫折しそうな時は、横からメガホン持って『頑張れ♪』って声かけてあげましょう。
前から引っ張り上げる事はできないけど、ちょっとくらいなら後ろから押してやってもいいかな?(苦笑)
あなたの母になって23年。
お母さんも、ちっとは強くなったよ。
どんな山でも、ドンと来い!!